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5☆s 講師ブログ

公的年金の真の問題

昨年からメディアは、社会保険庁の怠慢による「消えた年金」の問題で持ちきりです。

たしかに、公的年金に対する信頼性が揺らぐというのは、社会不安を引き起こすほどの大問題です。
ですので、この「消えた年金」問題については時間がかかっても完全に解明すべきです。

しかし、この問題がすべて解明されて、正当な年金額に修正されればそれで解決する問題でしょうか。
私は、まったくそう思いません。

真の問題は、財源の問題なのです。
たとえ正当な年金額に修正されたとしても、問題はそれを支払うだけの財源があるかどうかです。

不思議なことに、社会保険庁はこの財源問題には詳しく触れようとしません。
おそらく実態を発表してしまうと、今よりももっとひどいパニックが起こるからではないでしょうか。

公的年金については、多くの人が以下のような誤解をしています。
それは、自分が現役で働いている時代に支払った保険料はキチンとプールされていて、老後はそれを年金として受け取るのだと・・・
専門用語で言うと、これは「積立方式」といいます。

ところが、実際はそうではありません。
今働いている現役世代の支払った保険料は、すぐそのまま今の老人たちが年金として受け取っているのです。
いわば「自転車操業」みたいなものです。
専門用語では「賦課方式」といいます。

今まで日本の公的年金制度がもっていたのは、働いている人たちが多かったからです。
ところが、これからはそうではありません。

少子化の影響で、これから日本の人口はどんどん減っていきます。
1年ごとに島根県ひとつがなくなる計算だそうです。

一方で平均寿命は相変わらず延びているので、これからはますます老人ばかりの社会になっていきます。
このまま自転車操業が続くわけがないのは分かりますよね。

専門家の話によると、その昔公的年金制度が発足したときは「積立制度」だったのですが、働く若者が圧倒的に多かったので途中から「賦課方式」に変更したそうです。

そのとき余分な積立分が生じ、これが現在に至るまで公的年金の財源として支えになっていたらしいのです。
「らしい」と言っているのは、その辺りの会計については公表されていないからです。

では、その余分な積立分は、いつまでもつのでしょうか。
それがどうやら今年までらしいのです。
昨年麻生総理が、基礎年金に対する税金の投入割合を1/2に引き上げる件について、「09年度内ならいつでもよい」と発言して大問題になりました。

どうやら、公的年金の財源問題は一刻の猶予もないというのが、真相らしいのです。
「消えた年金」の問題よりも、はるかに大きな根本問題が存在しているのです。

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