株式会社ファイブスターズ アカデミー
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日経平均株価は、10月27日の終値が7,162円と、バブル崩壊後の最安値を付けました。
一時は、一体どこまで下がるか見当もつかないほどの弱気相場でした。
株価というのは、売り手と買い手がいて価格が決定されるものですから、相場が弱気のときにはこのような暴落も起こりえます。
以前、バブル期の地価が「ファンダメンタル価格」という適正価格を大幅に上回っていたことを指摘しました。
株価も同様に、適正価格というものがあるのです。
株価の適正価格を判断する指標はいくつかありますが、一般には、ROE(株主資本利益率)といって、その企業の利益の何倍まで買われているかが目安となります。
でも、今回問題にしたいのは、PBR(株価純資産倍率)という指標です。
PBRとは、このようなものです。
今、ある企業が解散したとしましょう。
企業が、まず最初にやるべきことは資産の整理です。
工場や機械、さらにはその企業が所有している土地などを売り払って現金に換えます。
次に、その現金から借金を払います。
そして、残ったお金を株主に分配します。
そのとき、一株あたりいくら分配されるかを見ます。
理屈から言うと、その企業の株価がどんなに値下がりしていたとしても、一株あたりの分配金を下回ることはない、ということになります。
なぜなら、もし下回っているならば、その株を買った後、その企業を解散に追い込めば利益が出るということになるからです。
ですので、株価がどんなに安くても、最低ラインは一株あたりの分配金と同じとなります。
これを専門的に言うと、PBRは最低でも「1」である、となります。
つまり、どんなに株価が値下がりしても、PBRが1となる水準が下限になるということです。
ところが、10月の株価急落局面では、東証一部上場企業でも、9割近くが1を割り込んでいました。
つまり、日本の大企業の9割は、解散したほうがよいということです。
こんなことってあるのでしょうか!
まさに『逆バブル』です!
アメリカがITバブルの頃、グリーンスパンは「根拠なき熱狂」と評しました。
そういう意味では、「根拠なき絶望」ではないでしょうか。
日本のメディアは、株価が暴落したと人ごとのように報道するのではなく、あるべき株式市場の姿をキチンと伝えるべきです。
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