株式会社ファイブスターズ アカデミー
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前回のブログで、ばら撒き政策は正しいと述べました。
ただ、それには重要な付帯条件があり、それは「インフレ期待」だとも述べました。
そもそも、なぜ「インフレ期待」が必要なのでしょうか。
それは、ばら撒かれたお金を貯蓄に回さないためです。
例えば今、インフレ率が2%くらいとしましょう。
今、1万円の値札のついている商品は、1年後には1万200円になってしまいますので、今買った方がトクです。
これが、ばら撒かれたお金が貯蓄に回らずに、消費に回る背景なのです。
ただ障害となるのは、メディアによるインフレ反対の大合唱と、それに影響された国民のインフレ・アレルギーです。
このような状況の中で、日銀がインフレ・ターゲット政策を選択するとは思えません。
では、どうやってばら撒かれたお金を、貯蓄ではなく消費に回すように誘導したらいいのでしょう。
その答えが「そのうち消費税を上げる」という発表です。
この発表により、人々は消費税が高くならないうちに消費しようと考えるからです。
以前、このプログで「リカード=バローの中立命題」について話しました。
それは以下のようなことでした。
今政府が減税や公共投資を実施して所得が増えたとしても、もし人々が将来の増税を予測するならば、そのときの税金の支払い財源に当てるため増えた所得分は貯蓄に回してしまう。
よって、減税や公共投資は効果がないというものでした。
今回の消費税アップにも、このメカニズムが働くのでしょうか?
いいえ、働きません。
なぜなら、消費税アップによる増税は一過性のものではなくその後も続きます。
よって、今の所得アップ分を貯蓄に回してもさほどメリットがないからです。
それよりも、人々は消費税がアップする前にモノを買ってしまおうと考えます。
ですので、貯蓄よりも消費に回る確率が高くなるのです。
ただ、問題は本当にアップさせるかどうかです。
かつて橋本内閣のときに、消費税を3%から5%にアップさせたために、日本経済が消費不況のどん底に突き落とされたのは記憶に新しいところです。
ですので、消費税のアップは、よほどの好景気のときに実施しなければなりません。
今回の消費税アップについては、あくまで希望的観測を発言しただけです。
約束したわけではありません。
要するに、牽制球みたいなものです。
しかし、この発言により、「ばら撒かれた給付金は遣ってしまおう」と考える人が出てくれば、政府の思い通りと言えましょう。
メディアは、ただ闇雲に政府を批判するのではなく、消費を活性化する対案を提示すべきです。
それができないとするならば、せめて経済学の観点からの検証を行うべきです。
少なくとも、街頭インタビューで安易な反対意見の取りまとめをすることだけは止めてほしいものです。
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