株式会社ファイブスターズ アカデミー
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前回までのブログで、サブプライム・ローン問題の不良債権総額はそれほど大きくありませんでしたが、人々が疑心暗鬼になったため金融商品のマーケット価格が暴落したという話を書きました。
これは、先日の世界同時株安も同様です。
よく「景気の”気”は、気持ちの”気”である」といいますが、まさにマーケットを支配しているのは感情なのです。
サブプライム・ローンと全く同じ構造なのが、中国の冷凍餃子事件です。
農薬の混入が確認された袋は、確か数十袋だったと記憶していますが、この事件を契機に日本全国で輸入もの冷凍餃子の消費は極端に落ち込みました。
聞くところによると、国内で作られたものでさえ影響を受けたようです。
金融市場においても同様です。
マーケット参加者にとっては、購入した金融商品に「サブプライム」という毒がはいっているのではないかという不安が募りました。
金融商品を持っている人は慌ててそれを売りに出しましたが、誰も買おうとしません。
市場価値がゼロと評価されると、バランスシートに大きな穴が空きます。
例えばあるお店で、卸値が1パック300円の冷凍餃子を100パック仕入れたとしましょう。
それにかかった費用は3万円です。
しかし、店頭に並べても消費者の買い控えで1パックも売れなかったら、期限がきたら廃棄せざるを得ません。
つまり本来は、少なくても3万円の価値のあるものが、ゼロと評価されてしまうわけです。
まさに、餃子のマーケットも、金融商品のマーケットも「恐怖」が市場を席捲しているのです。
私たちは、理屈では安全なことがわかっていても、なぜか感情は全く別の行動をとってしまいます。
このプログでも、かつて行動ファイナンスのことを何回か取り上げました。
今回の金融不安に際して、アメリカの金融当局は75兆円という莫大な公的資金の投入で乗り切ろうとしました。
実際に75兆円もの穴が空くかどうかは問題ではないのです。
人々の不安を一掃できるだけの金額がいくらか、という問題なのです。
議会に反対されたとはいえ、アメリカの金融当局の決断はまさに「英断」でした。
もちろん、90年代の日本の金融当局の優柔不断さと比較して、という意味です。
ただし、アメリカの金融当局の問題はまったく別のところにあったのです。
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