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5☆s 講師ブログ

本当に住宅バブルなの?

アメリカでサブプライムローンの問題が起こってから、早くも1年以上が経ちました。
しかし、アメリカ経済はいまだに混迷状態にあります。

というより、大手金融機関の破綻懸念報道や、議会の混乱ぶり、ニューヨークダウの動きを見る限りでは、ますます混迷の度合いが深まっていくような印象をうけます。
そして、その影響を受けて世界経済も低迷したままです。

メディアでは、この混迷の原因は「住宅バブルの崩壊」と報じていますが、本当にそうでしょうか?
たしかにきっかけは、適正価格を大きく上回ってしまっていた住宅価格が、一気に下落したことでした。

ここで言う「適正価格」には異論もあることでしょう。
つまり、モノの値段は需要と供給のバランスで決まるのであり、その値段で買ってもいいという人がいる限り、バカ高い値段であってもその値段が適正価格であると言う考え方です。

しかし、かつて岩田規久男氏が明らかにしたように、土地の価格にはファンダメンタル価格というものがあります。
これは、そもそも土地の値段というのは、その土地でアパートなど借家住まいをしている人たちが、いったいどれくらいの家賃を払っているかを調べ、その家賃をもとにその土地の適正な値段を算出するものです。

もし家賃がそれほどでもないのに、いざ土地を購入するとなると値段が非常に高いとなれば、その土地は適正価格から乖離していると判断できます。

アメリカの場合、持ち家に住みたいという人々の願望が、住宅価格を適正以上の水準にまで押し上げてしまったのです。
しかも、本来住宅購入は無理だったはずの低所得の人々にとって、最初は支払いが少なくて済むという魅力的なローンが登場したこともこの傾向に拍車をかけました。
思えば、日本でもバブルの末期には同じような仕組みのローンが登場していましたね。

さて本題に戻りましょう。
アメリカの住宅バブルが崩壊したというだけで、世界中がこれほどまでに混迷するものなのでしょうか?

私はそうは思っていません。
実は、住宅バブル崩壊前から、その危険性を指摘するアナリストはかなり大勢いました。

しかし、そのほとんどが、これほど大きな影響を及ぼすとは思っていませんでした。
というのは、住宅バブル崩壊による不良債権の総額はGDPの1%程度というのが大方の予想だったからです。

90年代に、日本があれほど苦しんだ不良債権の総額はGDPの10~20%くらいではないかと言われています。
それに比べればあまりに小さい額です。
経済が絶好調のアメリカからすれば、取るに足らない額のはずです。

しかも、アメリカの金融担当者は、大変よくできた参考書を持っていました。
それは、90年代に日本の金融担当者がどんな間違いを起こしたかという、「まちがい集」です。

それなのに、なぜこのような大惨事が起こってしまったのでしょうか。
それは、このバブルが「住宅バブル」ではなく、「金融工学バブル」だったからです。

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