株式会社ファイブスターズ アカデミー
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メディアは、「このままでは日本は財政破綻してしまう」と大騒ぎです。
でも、本当に財政破綻してしまったら、一体どうなるのかは誰も教えてくれません。
日本の国全体が夕張市のようになるのでしょうか。
それを考える前に、基本的な知識をおさらいしておきましょう。
まず、財政破綻により国債の償還ができなくなることを「デフォルト」といいます。
要するに借金の踏み倒しです。
過去にデフォルトを起した国はたくさんあります。
ちょっと前ですが、ロシアやアルゼンチンの国債を買っていて痛い目に会った人もいるのではないでしょうか。
これらの国は、よその国からの信用を維持するよりも、自国の人々の生活を最優先に考えたのでしょう。
もちろん借金の踏み倒しなど許されることではありません。
しかし、借金返済を最優先にして大増税を行えば、結果的に国内で大量の失業者と自殺者が出るとなればどうでしょう。
だからこそ、歴史を振り返ると、デフォルトを選択するケースが多いのです。
では、日本国債がデフォルトすると一体どうなるのでしょう?
実は、ロシアやアルゼンチンと違って、事情は少々複雑です。
というのは、日本の場合、非常に珍しいことに、国債の購入者はほとんど国内の機関投資家です。
だから、デフォルトすると、よその家から借りた金を踏み倒すのではなく、自分の家の身内から借りた金を踏み倒すことになります。
つまり、デフォルトの痛みはよその国の人ではなく、私たちに襲いかかることになります。
結局、痛みが国民にしわ寄せされるのであれば、デフォルトの痛みも増税の痛みも同じように思いますが、決定的に違うことがあります。
それは、借金の相手が身内だけに、返済の時期を引き延ばせるということです。
というよりも、いままで延ばしに延ばした結果が、今の借金総額ということも言えます。
だからと言って、このままずるずると引き延ばしてしまうと、いずれは天文学的な数字になってしまうでしょう。
いつかは、きっぱりとこのぬるま湯状況から抜け出す必要があります。
しかし、その時期は絶対に今ではありません。
アメリカ経済が失速し、オリンピックが終わって中国経済にも陰りが出ることの予想される今この時期に増税などを行えば、日本経済は深刻な事態を迎えるはずです。
メディアは、感情的に「財政破綻」と恐怖心を煽るのではなく、財政破綻の際に想定される事態についても冷静かつ論理的に情報提供する義務があるはずです。
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