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5☆s 講師ブログ

アメリカでも格差拡大

格差社会のことを書いていたら、ちょうどポール・クルーグマンの新刊書「格差はつくられた」三上義一訳(早川書房)が出版されました。
アメリカでも最近の格差拡大は深刻なようです。

アメリカでは、1920年代初頭あたりまではかなりの格差社会でしたが、その後30年代からはニューディール政策の影響で格差は圧縮されていき、平等化への大きな流れができました。
ところが、80年代半ばあたりから一転して、格差は拡大化の方向へと進んでいます。

以前、日本の最高税率がどのように変化したかについてお話しましたが、アメリカの推移も見てみましょう。
実は、日本とよく似た経過を辿っているのです。

20年代、アメリカの最高所得税率はわずか24%でした。
ところが、ルーズヴェルトが大統領になった頃には63%まで上がり、彼の第二期には79%に達しました。
冷戦時代は、戦費調達のためなんと91%という時期もあったそうです。

そして、現在は35%と、これまた日本の37%とよく似た水準にまで引き下げられています。
海を隔てた二つの国が、同じような時期に「金持ち優遇税制」に舵を切り、そして現在同じような「格差社会」の問題に悩んでいるわけです。
ということは、格差社会の主たる原因は経済のグローバル化とか、雇用形態の多様化などではなく、「金持ち優遇税制」にある可能性が高いと言えましょう。

クルーグマンによると、格差が圧縮していた時代は、移民に対して市民権が与えられていく時代と一致するそうです。
つまり、政治が格差圧縮政策を取っていたのは、選挙に勝つためだったとも言えます。

日本では、若者の投票率が非常に低いことが指摘されています。
反面、ネットカフェ難民など格差のしわ寄せは若者に向かっています。

とするならば、格差是正のスタートは、まず若者が政治に対して声を上げることかもしれません。
ところが、最近の若者は全くそうではないのです。
次週は、若者意識にスポットを当ててみたいと思います。

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